SKIMAで絵を注文してみた
昨年末、ツイッターの広告で絵師に絵を注文できるサイトというのを見かけました。
面白いサービスだなということでチェックしいていたのですがお願いしたいと思える絵師はなかなか見つかりませんでした。私が求めていたのがおっさんの絵ということが大きかったのでしょう。釣りブログとそれに掲載している動画のアイキャッチ、ツイッターのアイコンに使える絵が欲しかったのです。
「萌え絵でなければ絵師にあらず。」
こういったSKIMAというサービスを見ると、世の中の風潮というのを改めて確認できますね。ただ、逆にいうと実力がありそうな人を見つけやすいということがいえるかもしれません。萌え絵を書いている人の中で飛び抜けて上手い人か、萌え絵とは違う絵を書いている人を探せばいいわけです。
まぁ、そんな訳で正月に、この人がいいかも？と思える人が見つかりました。
pixivの方のイラストはこの記事を書いている時に初めて見たのですが、今回、お願いしたようなもの以外にもいろいろ制作しておられるみたいですね。
さて、お願いするにあたって気をつけたことは、可能な限りこちらが考えている事を具体的に伝えるということです。
ツイッターで絵師が遭遇したトラブルの話が頻繁に流れてきます。
私はツイッターでは自らが進んで誰かをフォローすることはほぼなく、基本的にフォローを返しているだけです。ですから、絵師に関わる情報なんかがTLに流れてくる事などほとんどないはずなのに、それでも目にするぐらいですから相当な数のトラブルがあちこちで起こっているのだろうと思っていました。
ですから、描いてほしいと思う絵の完成のイメージと、絶対にはずしてはいけないという点を整理してからお願いしてみることにしました。
完成したものを周囲の人間に見せた時に最初に聞かれたのは、
「どういうお願いをしたら完成がこうなったのか？」
という事でした。
それで上記の事を伝えたら、
「確かに、そうお願いしたらこうなりそうだ。」
と言ってましたね。
さて、上記メッセージに対して、以下の返事がもらえました。
前向きな返事をもらったのですが、
「釣り竿を持ち、釣れるのを待っているイメージでいかがでしょうか？」
という点が気になりました。
もうすでに、頭の中である程度のイメージができているということがわかったからです。それで、この時点での仕上がりのイメージに齟齬だったり、ズレがあるとトラぶるのだろうなぁと思いました。
そこで、クドくなるとは思ったのですが、こちらの頭の中にあるイメージをさらに念押しして伝えることにしました。
グーグルの画像検索で、釣り竿をもった人の絵や写真を探しました。
それでこういうポーズをイメージしていますか？と確認をさせてもらった訳です。服装やアイテムもについても同様です。
こういう具合に、ツイッターで流れてきた絵師のトラブルを振り返って、ひっかかりそうな点を１つづつ確認してゆきます。もちろん金額の確認も忘れちゃいけません。
依頼する場合、細かく要望しすぎてしまうと絵師さんの実力がうまくでなくなってしまうこともあるでしょう。描いているからこそ、浮かんでくるアイデアというのもあるでしょうから。だから、お願いする場合、最低限押さえておいて欲しい点だけ整理して、あとは任せた方が、予想以上にいい絵ができてくるケースなんていうのもあるとは思います。
ただ、今回の場合は、用途がほぼ固まっていることもあってちょっと細かめに要望を伝えさせてもらいました。その後のお返事で、こちらの考えていることを概ね理解してもらえているとわかりましたので発注させてもらいました。
ラフがあがってくるのと一緒に釣り竿の持ち方について質問されました。
また、ラフをみての感想は、
「ちょっと若いなぁ。」
という事だったので、それについてどう伝えるか？
結構、迷いましたね。
例によって、グーグル画像検索でそれっぽい絵なり写真を探すのですが、釣り人の竿の持ち方を探すのはなかなか骨が折れて、３０分ぐらい考えたのじゃないでしょうか。
実は、この竿の持ち方、あまりよい竿の持ち方ではありません。これだと、魚がかかった時にすぐさま反応できません。ただ、肩の力を抜いてもっている感じがするのでこちらのほうがいいだろうということであえてこの持ち方にしてくださいとお願いしました。
次に、年齢についてです。
「年を取らせてくれ。」
と丸投げするのも一つの方法だったのかもしれません。
そうしたらまた違った仕上がりになったでしょう。もしかしたらもっといい絵になった可能性もあるかも？でも、昨年に見たSHIROBAKOというアニメでキャラデザをやっている人が、何が駄目を一切告げられずひたすらダメ出しをされ続けるというのを見ていたのが大きく影響していたと思います。
修正をお願いするのであれば、具体的に内容を伝えることができなければ駄目だろうということで、これまたかなり考え込みましたね。で、あ～る田中一郎に年を取らせるにはどうすればいかと考えたところで、特車二課第２小隊の後藤隊長の事が頭に浮かびました。
ちなみに、
「みんなで幸せになろうよ。」
というセリフがすごく好きです。
ラフが非常にいいと思ったので、このまま仕上げてもらうようにお願いしました。
それで完成したのが最初に掲載したものです。仕上がりに不満はなかったので手直しはお願いしませんでした。
さて、今回、SKIMAを通じて絵をお願いしてみました訳ですが、絵をお願いして描いてもらうとういうのは、
「共同作業だな。」
という事を強く感じました。
今回の場合、私の頭の中にイメージが明確にありましたので、それをなるべく実現しようという形でお願いしました。
ただ、お願いするシチュエーションによっては、ぼんやりしていることもあるかと思います。でも、ないならないなりに、重要なキーワードだったり、要素だったりを、はっきりと伝える事がポイントじゃないでしょうかね。
「好きな食べ物はドーナツ。」
「運動が苦手で、本を読むのが好きだ。」
とか、絵に関係ないように思えるかもしれませんが、描いてもらうにはそいういう情報が必要だと思います。依頼されて絵を描くというのは、こういった要素を絵に落とし込んでいく作業でしょうからね。
そう思うとSKIMAは、絵師の実力より、依頼する側の創造力とか、クリエイティヴィティみたいなものが要求される恐ろしいサービスだといえます。
「こいつがこの絵師に下手な仕事をさせた。」
とバレてしまうわけですから。
まぁ、逆にいえばそれが面白いところで、何かを作りたい、アイデアはあるのだけど、その技術がないという方には、とても面白いサービスでしょう。自らの創造性をはっきりとした形にできるわけですからね。
さて、あまみやゆうさんの印象ですが、こちらの要望や考えを的確にとらえて絵に落とし込んでくれたと思います。安心してお願いできる方ですので、イラストの印象がお気に召すようでしたら頼んでみられるといいでしょう。私がお願いしてからサンプルも増えていて、コミカルな怖い絵なんかも書かれるようですし対応できる幅もかなり広そうです。
